事業概況—その他事業
2009 年度の業績概況
その他事業については、KDDIグループ全体の競争力を強化するた め、今後の成長が見込まれる事業分野を重点的に強化しています。 2009年度は主にコールセンター事業およびコンテンツ事業な どにおける事業拡大により、営業収益は前年度比54.2%増の 1,122億円、営業利益は35億円となりました。
コンピュータやIT機器が不可欠な社会となる中で、KDDIは情 報通信技術が社会に自然に溶け込み、お客様が意識せずとも、 安心・安全・快適なコミュニケーションが可能な社会の実現に資 する研究開発を積み重ねています。
埼玉県ふじみ野市にあるKDDI研究所は当社の研究開発拠点 として、固定通信・移動通信から放送までを融合・連携した FMBC(Fixed Mobile and Broadcast Convergence)環境に対応 した研究開発体制を整え、長期的かつ広範な視点に立った要素 技術、基礎技術に力を注ぐ一方で、「高度でありながら、より使 いやすく身近な技術」の実現を目指した最先端の研究テーマにも 取り組み、毎年数多くの研究開発成果をあげています。 また、技術開発拠点として東京都千代田区にある当社本社内 にKDDI研究所開発センターを設置し、コア技術の差別化とコス ト削減の両立といった課題に挑戦しながら、2、3年後の実用化を 前提とした多様な技術開発に取り組んでいます。
この2つの拠点を中心とした研究開発・技術開発活動の結果、 2010年3月期には、研究員1人あたり1件以上の特許出願を達成 しました。加えて、当社にとって重要な将来技術の動向把握・研 究課題抽出などを目的として、国内外の研究機関との共同・委託 研究や国際学術会議活動へ参加するほか、標準化活動にも積極 的に取り組んでいます。
一方、研究開発体制については、事業部門のみならず運用・建 設部門における研究開発ニーズ・技術開発ニーズと、KDDI研究 所における研究開発成果・技術開発成果のマッチング、さらには、 KDDI研究所での開発プロジェクトの立ち上げ時に、移動/固定 の各事業部門との方向性やゴールを共有するためのマッチング活 動を行っており、より便利で面白くご満足いただけるサービスを KDDIグループ全体として実現すべく、社内連携を推進しています。 営業収益
0 50 100 150 200
112
06 07 08 09 10
(十億円)
104 109 167
73
(3月31日に終了した各年度)
営業利益(損失)/営業利益率
–5 0 5 10
(25)
–5 0 5 10
(十億円) (%)
4.2 6.3
5.4
–3.4 3.1 4 4
7 9
–2
06 07 08 09 10 営業利益(損失) 営業利益率(右軸)
(3月31日に終了した各年度)
KDDI研究所は、米グーグル社の携帯電話プラットフォームAndroid™をベースとしたSTB および、STB用アプリケーションを開発しました。
携帯電話プラットフォームと同じプラットフォームをSTBに採用することで、携帯電話と STB上で同じコンテンツやアプリケーションを利用することが可能となり、これにより開発 コストの低減、リードタイムの短縮が可能となりました。
今回試作されたSTBにはIPTVフォーラム技術仕様準拠のビデオオンデマンド受信機 能、IPマルチキャスト放送受信機能を搭載しました。加えてTransferJet™を組み込み、携帯 電話とSTB間での大容量ファイルの高速転送を実現しています。
また、STB用アプリケーションとして、携帯着信を基にSTB間のコンテンツ転送・共有を行 う「携帯電話・STB連動アプリケーション」や、家庭内にあるさまざまな機器のログを収集 し、携帯電話やSTBに有用な情報を表示する「家庭内ログ活用アプリケーション」を試作し、 開発の容易さを実証するとともに、STBと携帯電話間のシームレスな連携を実現しました。
* 「Android」は、Google Inc.の商標です。
Android
™*をベースとしたSTB(Set Top Box)の開発
研究開発
アプリケーション
コンテンツ
画像 動画
ゲーム
FMBC
STB 携帯電話
Android™を搭載した組み込みシステム 携帯電話連携STB
事業内容
主要なサービス
コールセンター事業、コンテンツ事業、研究・先端開発、 その他携帯電話サービスなど
主要なグループ会社
(株)KDDIエボルバ、(株)mediba ほか